1946ナックルヘッド
整備一式と悪いところの修理一式
悪いところと言っても、前回の車検で一通り整備もしたので大きく悪いところもなくこの先乗るにあたっての消耗品関係がメインで終了
しっかり一通りみておくと今回のように特に大きなトラブルも交換部品もなく済むので定期的メンテナンスはおすすめします。
オリジナルの車両は相変わらず大人気のヴィンテージ車両ですが、乗って気楽に楽しむのであればこうしたボバースタイルで
『走る』
ということに重点を置いたモデファイを施していくのはいいと思います
特に点火装置やスロットルの作動機構などは純正はかなり癖があります
例えば
左グリップは進角装置
自動進角においてはエンジンの回転数に同調しながらガバナやセンサーで勝手にやってくれるので操作はスロットルのみでいいのですが、手動進角はエンジン回転数が上がるに連れて始動時やアイドリング時の点火位置では付いていきませんので手動で点火時期を早めてエンジン回転数が高い状況でも正常に点火できる状況を作ってやる操作をしないといけません
文面で書くと難しく感じますが、基本的にはアイドリングと走行で分けるぐらいでも大丈夫ですけど、構造を理解していれば登坂時など高負荷域等にも進角を手動で動かせれることはある程度恩恵があったりもしますのでエンジンの点火タイミングについて再考してみるといいかと思います。
右グリップはスロットル
純正のインナースロットルとリンカートの組み合わせは現在のオートバイと異なりスロットルを開けたら戻すときはリターンスプリングなどありませんので戻すことも手動でぐいっと閉じる方向に回して閉じなければいけません
ただ...
旧車のインナースロットルは遊びも多いので操作したことある人はわかると思いますがかなりプアな感じなので少し開けたつもりでも思ったよりも回転数が上がったり、ちょい開けから戻したりすると元位置に完全に戻らなかったりリニアにきれいな変化する感じはないので最初は結構乗りにくいと感じる方も多いようです。
今回のようなボバースタイルにする場合
インナースロットルを排除してリンカートにリターンスプリングを装着してスロットル開度に過敏に反応できるような仕様にしたり、点火もマグネトーや自動進角にして操作を現代化すると言った手法が多いですね
特にスロットルをリターンスプリングを装備したアウタースロットル方式にすると乗りやすさや回転の扱いやすさの変化に驚かされますね
『え?これまじで同じキャブなの?』
ってぐらい体感変わります(笑)
まさに今回の1946はそんな感じの乗りやすいボバーと言えますね
マッチングや純正度を旧車の場合1番に聞かれますが、ナックルヘッドもパンヘッドも
エンジン
フレーム
スプリンガー
タンク
前後フェンダー
スピードメーター
そのあたりがしっかりアンカットで揃っている時点でヨーロッパ製の高級スポーツカーと似たような金額しますので中古市場でオートバイとして普通に考える価格では存在しません
ナックルは高いと言っても一般的にはやっぱり
400万円台から600万円ぐらいでお考えの方が多く感じますが、基本的にオリジナルマッチングという車両はそこの価格範囲には一台も当てはまらないのが現実です。
マッチングというくくりから外してしまえば、純正のナックルヘッドパーツの年式違いなどで構成された車両などは見つかる可能性はありますが、オリジナルスタイルはやはり難しいところです。
チョッパーやボバーであれば使っている部品構成で300万円台からナックルヘッドは検討できる部類になるかとは思いますが、ボバーやチョッパーでもフレームがナックルヘッド純正という車両はその価格帯では難しいと思います。
今回触っている車両も年式マッチングという部分ではもちろん外れる部分も多いですがナックルヘッド純正パーツなどは結構多く使われておりますので最近のヴィンテージ事情では価格といい状態といいかなりいい個体だと思います。
完成したので納車前に磨き上げました。
流行りの油汚れとサビに包まれたパティーナ車両は全く磨いたりしませんが(磨くとオーナーに怒られます)こうした綺麗な車両はやはり磨き上げておきたいですね。
これぐらい綺麗で汚れついてると、ただ乗りっぱなしなだけに見えちゃいますしね(笑)
ナクルヘッドやパンヘッドを探しているという話も来ますが、本国でもかなり上物個体には出会えなくなってますし、納屋から発掘系のバーンファインドの話も無いですので現在はオリジナルスタイルの車両に関してはなるべくお断りしている次第です
こればっかりは、70年以上前に製造されて正直現存している個体しか物がないので仕方ないですよね...